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NICTサイエンスクラウド ひまわり衛星プロジェクト

ひまわりリアルタイムWeb「伝育」計画

伝育とは?

これまで、どれほど多くの子どもたち(そして大人たち)が、「一度でいいから宇宙から地球を眺めてみたい」と憧れてきたことでしょう。私は、初めてひまわり8号の画像(可視観測画像)を見た時に、その美しさに息をのみました。こんなに美しい地球を、しかも生(リアルタイム)で誰もが見ることができたら、どんなに素晴らしいことだろうと思いました。

そこで情報通信研究機構のNICTサイエンスクラウドチームは、 千葉大学環境リモートセンシング研究センター 高知大学気象情報頁と協力し、気象庁からリアルタイムにデータを取得し、さらに高速画像処理することで、ほぼリアルタイムでのひまわり8号データをインターネット上に公開することに成功しました。さらに、パソコンだけではなく、スマートホンやタブレットなどで「いつどこからでも掌(てのひら)の上で今の地球を観る」ためのアプリケーション( ひまわりリアルタイムWeb)を作りました。

これにより、地球に居ながらにして、いまこの瞬間の地球の様子を自分のパソコンやスマートホンで観ることができるようになりました。同時に、動画像を再生することで、太陽が昇り、そして夕方に沈んでいく地球の一日を体感することができます。成長し、やがて消滅する台風の一生を目の当たりにすることもできます。それはまるで、宇宙飛行士を疑似体験しているかのようです。

この感動を子どもたちに『伝える』ことで感性を『育んで』もらいたい。これが、『伝育』計画の主旨です。一人一人が今この瞬間の地球を、まるで宇宙に居るかのように見て、何かを感じる。 ひまわりリアルタイムWeb は、そんな感動を伝えるためのツールだと位置付けています。

とはいえ、子どもたちに感動を押し付けることは、望ましいことではありません。感性は一人一人異なるものです。いつでも学校に「宇宙から見た地球」が展示されていることで、自分なりに地球を感じ、それぞれが考える。これが、 ひまわりリアルタイムWeb の有効利用の一つと考えています。

村田健史
国立研究開発法人 情報通信研究機構
オープンイノベーション推進本部 ソーシャルイノベーションユニット
総合テストベッド研究開発推進センター 統括

E-mail: ken.murata nict.go.jp
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